1. 森友隠し・AbeTV化をめざす「放送改革」

森友隠し・AbeTV化をめざす「放送改革」

「放送法4条」撤廃について、総務委員会で質問した。「放送改革」の事務局である内閣府は、検討を行っていることを認めた。内閣府と協議をしないのかという私の問に、放送法を所管している野田総務大臣は、(検討を行っているという)内閣府の話は「いま初めて聞いた」と答弁し、歯切れが悪かった。大臣は、放送法3条・4条の必要性は認めているのだが、官邸への配慮があるからだろうか。

 

 安倍政権は、今月中にも、「放送法4条」をはじめ放送局に義務付けた番組基準など、NHK以外の放送関連の規制をほぼ全廃する方針を打ち出すのではないか、との観測もある。なぜ、いま「放送改革」なのだろうか。連日の森友報道にいらだつ安倍政権地上波キー局への牽制ではないか 。これを裏付けるように日本テレビをグループに持つ読売新聞は「背景には、首相に対する批判的な報道への不満があるようだ。(中略)ネット事業者などに放送事業の門戸を開放すれば、地上波キー局をはじめとする放送事業者の地盤沈下につながる。首相の動きに、放送業界は「民放解体を狙うだけでなく、首相を応援してくれる番組を期待しているのでは。政権のおごりだ」と警戒を強めている」(3月18日)と報じている。

 

地上波テレビ局は、「電波法」で無線局の免許を受けている規制産業であり、現行制度でも政府が免許の取消しや電波停止を命じることができるネットや新聞とは異なり、番組内容に政権の介入を受けやすいのだ。

「放送法」は「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」(3条)とし番組内容の自由を保障した上、4条で放送事業者が守るべき「準則」として「政治的公平性」などを定め、政権の介入を防いできた。これらの規定が防波堤となり「首相への批判的な報道」を「自由」に行うことができた。

歴代自民党政権も番組編集の自由を尊重してきた。安倍政権は明らかに異質だ。政治的公平」規定の解釈変更を行い各局の看板キャスターを降板に追い込み、それでは足りずに、今回3条・4条撤廃を持ち出している。

 

政権批判を一切封じようとする安倍首相。この改正が通れば、地上波テレビは「AbeTV」(安倍テレビ)になってしまう。AbemaTVやTVerなどネットTVの可能性を広げるような「放送改革」なら賛成だが「安倍」のための「放送改革」であってはならない。放送法3条及び4条削除は認められない。野田聖子大臣に期待をしたい。

 


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