「桜を見る会」は安倍政権の本質
2019年11月23日お知らせ
「桜を見る会」は、①権力の私物化、②情報の隠蔽、というこの政権の体質が浮き彫りになっている。
「桜をみる会」の開催要領には、招待範囲として皇族、各国大使、国会議員などが列挙され最後に「その他各界の代表者等」とされている。また、「同一人が連続して招待を受けることのないよう配慮した推薦」を依頼しているとある。
この「等」がはいったのが、北朝鮮のミサイル発射で中止となった2012年の案内からだが、それまで1万人で推移してきた招待者数が、以後安倍政権化で急増し、現在では1万8000人となっている。20日の内閣委員会の質疑で明らかになった内訳は、霞が関の各省枠9000人、国際貢献など1000人、自民党6000人、総理1000人、副総理・官房長官等1000人程度。同じ内閣委員会質疑での私の求めに応じ、昨日提出された各省枠分はこの10年間ほぼ横ばいであり、安倍政権下で招待客が以前の倍近くに膨れ上がったのは、総理枠や自民党枠が増えた結果であることが明らかになった。
しかもこの総理・副総理枠や自民党枠については、「各界の代表者」か否か「連続して招待を受ける」かどうか、「決済」を経ず事実上ノーチェックで内閣総務室から内閣府に提出されていることも明らかになった。昭恵婦人が声をかけた方や総理の地元でツアー募集に応じた方が必ず呼ばれるなどの報道どおり、まさに安倍総理夫妻が自由に呼ぶことができる枠があるということになる。
「桜を見る会」は税金で行われる政府主催行事であり、安倍後援会行事ではない。まさに「権力の私物化」ではないか。
もう一点、総理・副総理枠や自民党枠については、政府は、すでに廃棄されており過去の人数の推移についてすら明らかにできないと主張している。各省分については、公文書管理法に基づき概ね10年間保存されているが、内閣官房が取りまとめている総理・副総理枠や自民党枠は、1年未満の保存期間とされているというのが理由だ。なぜ他省庁と保存期間が異なるのか。また、いつ廃棄したかも全くわからないと主張しているが、いまどき文書管理システム上、削除記録すらないということは考えられない。政府ぐるみの隠蔽ではないか。
「桜を見る会」問題は小事であり、もっと国家にかかわる大事を議論すべし、という指摘がある。しかし、こうした「権力の私物化」や「情報の隠蔽」は国益を害する。先人が勝ち得た4島返還を交渉のテーブルにのせる東京宣言から後退し、2島返還要求に戻してしまったのは、自らの歴史的功績(レガシー)を焦るあまりではないのか。また、政府は今国会で審議されている日米貿易協定について、審議の前提となるべきトランプ大統領とのやり取りや我が国の農業に与える影響など一切の資料を出していない。自動車部品の関税撤廃はいつ実現するのか。
安倍総理は、説明責任を果たすべきだ。