国民投票法審議入り
2020年11月27日お知らせ
昨日、国民投票法改正案が審議に入りました。
私からは、与党案と同時に、地上波のスポットCM・ネット広告規制、外国人の寄附の禁止他運動資金の透明化・総量規制を盛り込んだ対案(筆頭提出者にちなんで「原口案」とします)の審議を求めました。
資金量の多寡や外国政府の関与によって国民投票の結果が左右されてはならないのではないかという私の指摘に対して、与党案の提案者も異論はありませんでした。ただし、投票の利便性の向上を目的とする与党改正案と、表現の自由の制限につながる原口案とを同列に扱うことはできないという理由で、まず与党案を採決を優先すべきとの答弁でした。
与党の新藤筆頭幹事は、審議の中で「8国会を経て採決に至らない状態を誠に憂う」と発言されました。
しかし、原口案も国会提出後6国会を経過していますが、未だに趣旨説明もしていません。
経緯を振り返るとCM規制については、国民投票法制定の際、民放連がCMの「イコールタイム」(憲法改正の賛否CMを同時間にする)の確保を「自主規制はできるし、やらねばならぬ」と答弁しました(平成18年6月憲法調査特別委員会)。この発言により、国民投票法によるスポットCM規制は見送られ、付帯決議に基づき、自主規制の検討が行われることになったのです。ところが、一昨年民放連は量的な自主規制は行わないことを決定しました。これでは立法者のひとりでもある我が党の枝野代表が昨年の憲法審査会で発言しているとおり「我々の前提にしていたもの(CM自主規制)が違いますので、現行法は欠陥法だということにならざるを得ない。したがって、現行法のまま、国民投票は施行できないということにな」ります。
こうした背景もあり、一昨年秋から当時の国民民主党でCM規制の検討を行い、運動資金の規制等他の論点も含めた原口案を昨年5月、国会に提出しました。そして提出直後から、憲法審査会幹事会で平行審議を求めてきましたが、昨日改めて審議の場でも求めたものです。
憲法改正を真剣に考えるなら、真に民意を反映した公正な投票結果が出る仕組みを整えることが必要ではないでしょうか。与党側が原口案の平行審議に応じていれば、この6国会の間に、議論を尽くすことができたはずです。なぜ、応じなかったのか。安倍改憲4項目の議論を急いでいたからではないでしょうか。非常に残念です。与党がCM規制等の議論を確約すれば、与党案の採決に応じても良いという意見もありますが、口約束では確約といえるでしょうか。
菅政権に変わったのですから改憲4項目に囚われず、腰を落ち着けて、まずは国民投票法の抜本改正をめざすべきです。