国民投票法の抜本的改正を求める
2020年5月28日お知らせ
今国会はじめて憲法審査会を開き、憲法改正国民投票法に関する自由討議を行った。与党からは、一昨年6月に提出された国民投票法改正案(「洋上投票」を可能とするなど公職選挙法改正並びで7項目を改正するもの)の質疑採決を求める声が相次いだ。また、昨年5月に7項目改正案の質疑採決に合意していたのを政局のため覆したとの指摘もあった。
当時、私は憲法審査会幹事に選出されたところだったが、CM規制等の議論を進めることが確約されるなら、7項目案の質疑・採決を行なうという理解だった。国民民主党は、一昨年の7項目改正案提出時からCM規制等も合わせて抜本的な改正を求め、検討を重ねた結果、昨年5月に国会に独自の国民投票法改正案を提出している(※文末参照)。この法案の審議・CM規制等の実現が確約されるなら7項目の先行採決もありうるということだ。なぜ7項目の採決にいたらなかったのかという議論が本日あったが、その確約がえられなかったということに尽きる。
現行の国民投票法は、ネット社会・グローバル社会を想定していない。
例えば、現行法は、①地上波メディアのスポットCM、ネットのCMを規制しておらず、②また国政選挙のような運動資金規制を設けていない、つまり、お金のある団体は運動にいくらでもお金を使えるということだ。このような制度では、資金力にまさる団体がメディアを問わず無制限にCMを打つことができる。外国政府など特定の者が国民投票に干渉し、結果を左右する恐れがあるということだ。
ネットにおける表現の自由は最大限尊重すべきと考えるものの、限界があるのも明らかだ。フェイクニュースはどうするのか、誹謗中傷はどうするのかといったネット利用の問題にも検討をする必要もある。
このように、7項目改正だけでは、公正な憲法改正国民投票を確保することはできない。抜本的な改正が必要であることから、我々はネットCM規制等の実現にこだわった。
昨秋の臨時国会以降、我が会派は、国民民主党国民投票法改正案と7項目改正案の並行審議を、幹事会及び審査会の場で求めてきた。与党が昨秋直ちに平行審議を受けていれば、今頃は、採決も見えてきていたかもしれない。非常に残念だ。せっかく7項目案・我が党の抜本改正案が提出されているのだから今からでも腰を据えて公正な国民投票制度の実現をめざすべきではないか。本日の自由討議では、与党からも運動資金規制の提案もあり、また、山尾委員、我が党の玉木代表からも様々な提案があった。そうした論点も含め、議論を尽くすことが必要だ。ここでやらねば国民投票を公正なものとするチャンスを逃すことになる。
※国民民主党改正案のポイント
・国民投票運動・賛否の意見表明のためのCMについて、政党等は国民投票広報協議会の枠以外での放送を禁止。インターネット広告も禁止。
・支出の金額が1000万円を超える団体について国民投票運動等について収支報告の提出義務付
・支出の上限を5億円とすること
・特定国民投票運動団体への寄付の上限 5億円とすること
・外国人からの寄付の禁止 等