1. 憲法改正国民投票法の建設的な議論を

憲法改正国民投票法の建設的な議論を

我々野党は、国民民主党が提出したCMや外国人の運動を規制する内容の国民投票法改正案の審議を求めている。与党は、与党案の採決を優先すべきとして、これに応じない。与党案は、「共通投票所制度の創設」や「投票所に入ることができる子供の範囲の拡大」など7項目について、公職選挙法の改正と平仄を合わせるものであり、内容について何ら反対すべきものではない。しかし、与党は我々の提案する抜本的な改正案に消極的であり、この機会を逃すと、問題が解決できなくなるため、与党案との並行審議を求めているのだ。

憲法改正が、特定の陣営の大量のCMにより、つまり、資金の多寡によって、左右されるべきではない。国民投票法制定(2007)の際の議論では、投票日前二週間のCM放送が禁止され、民放連は合わせて自主規制を行う旨発言している。ところが民放連は、昨秋、「CM量の自主規制は行わない」という方針を決定。これでは立法者の意思に反することとなり「(立法当時)量的なバランスをとる自主規制がなされるものだという前提で受け止めました。(それが間違いだということになると)我々の前提としていたものが違いますので、現行法は欠陥法だということにならざるを得ない。」(民放連に対する参考人質疑における枝野立憲民主党代表発言(5月9日憲法審査会))

民放連に対する参考人質疑では、他にも現行制度の問題が明らかになった。「外国資本、外国政府がCMを要請してきたときに、(民放連が定めた)ガイドライン上、拒めるのか。」という私の質問(5月9日憲法審査会)に対し、「大事なことが(ガイドラインに)書いていない」と認めた上、民放各社が判断すべき事項という趣旨の答弁を行った。「インターネット上の動画CMについては何も規制の対象外で、〜ラジオまで180日間(禁止)と言われてしまいますと〜」とも答弁している。フェイクニュースや外国政府の選挙への干渉が世界で問題になっており「(国民投票法制定後)この12年間のメディア環境〜は非常に大きく変わっ」たと民放連自身も認めているのだ。

国民投票法には抜本的改正が必要だ。そこで国民民主党は、表現の自由に配慮しつつ、国民投票運動等の公正を確保するため対案を国会に提出した(5月21日)。①憲法改正発議後政党等が行うスポットCM(インターネット広告を含む国民投票運動及び賛否の意見表明広告)を禁止、②外国人等の寄付を禁じるとともに、支出額1000万円を超す団体に収支の透明化・支出限度額を5億円とする運動資金規制、などを内容としている。

※CMは国民投票広報協議会が設ける広報の枠(賛否同時間)で行うことができる。

 

会期末までまだ時間はある。与党に建設的な議論を期待したい。

 

 

 


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