1. 行き詰まる安倍流外交

行き詰まる安倍流外交

日米首脳会談が終わりました。「北朝鮮による拉致問題で「日本のためにベストを尽くす」と述べたことは評価したい。」(日経)など外交は評価され、「新協議の方向性について、両国の思惑が全くかみ合っていない〜」「米国が先月発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限について、日本を適用除外とするかどうかは首脳会談で結論が出なかった。」(読売)など外交は成果を挙げられなかったとする論調が中心でしょう。しかし、外交についても「米国頼みだけで、日本にとって望ましい結果が得られるかとなると疑問が残」(日経)るとの指摘がされています。

信じた相手は疑いをもたず守り、嫌った相手とは徹底して戦う。セクハラ・森加計問題、朝日新聞はじめ報道メディアへの対応から見える安倍総理の姿です。この姿勢が外交にも現れているのではないでしょうか。プーチン大統領を山口県の温泉に招いた日露首脳会談。北方領土返還は未だ果たせません。トランプ大統領と蜜月を演出したゴルフ外交も今回はうまく行きませんでした。一方的に相手を信用するだけでは外交は動きません。

「鉄鋼とアルミニウムの輸入制限」は、EU、カナダ、オーストラリアは適用除外になりました。適用除外になったのは、即座に対抗措置を表明した国々です。トランプ大統領との「ブロマンス」を頼りにした日本は、米国の主要な同盟国のなかで唯一、「適用除外」を勝ち取れませんでした。500億ドル(約5兆円)相当の関税措置の対象とされた中国は、報復関税措置を発表、水面下で交渉を進めています。日本もそろそろトランプ大統領と戦うべきではないでしょうか。

北朝鮮問題も、米中韓の蚊帳の外におかれてしまいました。強硬路線を言い続ければ最後は軍事衝突にいきつきます。米国がどこかで対話に転じることは予想できたはずです。もう少し柔軟に、中国や韓国と接触をし、北朝鮮と対話を考えるべきでした。蜜月であったのですから米朝の仲介を日本が行うこともできたのではないでしょうか。トランプ大統領を過度に信用する、米国一辺倒の外交の限界が明らかになりました。

嫌いな相手に対しても耳を傾け対話をする。信用した相手に対しても誤りを正す。安倍総理の度量が問われています。

 


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